ラフマニノフが熱烈に崇拝したことでも有名な「チャイコフスキー」。
1840年から1893年までロシアで活躍した作曲家です。
53年という生涯の中で、その作品の数は多く、歌劇、交響曲、協奏曲、バレエ音楽、室内楽、ピアノ曲、合唱曲、歌曲、正教会聖歌など、多岐にわたります。
メランコリックで美しい旋律で、誰もが一度は聴いたことがあるという曲も非常に多いかと思います。
私はオーケストラ部に所属していましたので、チャイコフスキーの交響曲は何度か演奏する機会がありました。
交響曲は1番から6番までありますが、有名なのは4、5、6番でしょうか。
学生のオーケストラやアマチュアオーケストラでもよく演奏されていて、通称「チャイ4」「チャイ5」なんて呼ばれています。
特に6番は「悲愴」という副題でも有名です。
動画とともに、ぜひ一度聴いていただきたい曲をご紹介します。

  • ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品35 2of2

    美しい弦楽器の音色から始まるこの曲は、あまりにも有名なフレーズが胸を熱くしてくれます。透明感のあるバイオリンの音色、華やかな技巧は、バイオリンの魅力を最大限に感じることのできる曲です。ちなみに、チャイコフスキーは、完成したこの楽譜を、当時ロシアで最も偉大なヴァイオリニストとされていたペテルブルク音楽院教授レオポルト・アウアーに送ったが、アウアーは演奏不可能として初演を拒絶したと言われています。

  • ピアノ協奏曲第1番

    1988年12月31日 ベルリンフィルハーモニーホール ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 エフゲニー・キーシン(ピアノ)の濃厚な演奏が動画で残っています。出だしからピアノのカデンツァが素晴らしいこの曲。迫力のあるピアノの和音とオーケストラの掛け合いが、壮大な音楽の世界へと誘ってくれます。

  • ロミオとジュリエット

    この曲はチャイコフスキーがシェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』を題材として作曲した演奏会用序曲です。プロコフィエフも「ロミオとジュリエット」を作曲していますが、曲調は全く異なり、私はチャイコフスキーの方が好きです。20分程度の曲ですが、「修道僧ロレンス」「両家の争い」「『ロメオとジュリエット』の愛」「二人の死」と4つの場面から構成されています。目を閉じて聴くと、本当にその情景が鮮やかに浮かんでくるような素晴らしい曲です。

  • 交響曲第4番

    悲劇的な暗さで始まる金管の荘厳な響き。悲哀に満ちた複雑なメロディーは、時に憂鬱に、時に激しく、時に優しく。当時の時代背景やチャイコフスキー自身の精神状態を表しています。しかし、これはオケで合わせるのが本当に難しい曲です。4番、5番、6番をぜひ聴き比べてみてほしいです。