木管楽器について

【フルート】
吹奏楽でも大人気のフルート。横笛の一種で、吹いている姿が見た目にも素敵な楽器です。他の木管楽器と違い、リードを持ちません。その楽器の歴史は古く、バロックの作曲は、管弦楽曲の中で、フルートをソロ楽器として好んで取り入れていたようです。

【オーボエ】
皆さんは子どもの頃、草笛で遊んだ経験はありますか。2枚の葉を口に挟み、ピーッと音を鳴らすやつです。実はオーボエの音を出す原理と同じなのです。オーボエは葦の茎の断片を削って作った2枚のリード(ダブルリード)を振動させて音を出す、たて笛の一種です。存在感のある音色で、ときには甘く、ときには物哀しく、心に染み入る音色が印象的です。
ちなみに、オーボエといえば、オーケストラの演奏会などで、演奏が始まる前のチューニングで一番始めに音を出す楽器としてもおなじみです。なぜオーボエなのでしょう? ピアノに合わせたらいいのでは・・・と言われそうですが、毎回オーケストラにピアノが入るわけではないので、これは無理。弦楽器も、調弦によって音程が変わって一定しないから、やはりこれも難しい。
フルートやクラリネットは、楽器の材質や構造上、楽器が冷えると音程がどんどん下がってしまうそう。
こういったことから、オーボエが構造上、音程が一番安定している楽器ということで、他の楽器がオーボエに合わせるようになったそうです。


【クラリネット】
18世紀の終わりごろからオーケストラに登場するようになった、比較的新しい楽器の一つです。たて笛の一種ではありますが、1枚のリード(シングル・リード)を振動させて音を出します。「僕の大好きなクラリネット〜♪」の曲でも有名ですし、吹奏楽では花形でもあるので、馴染みのある管楽器なのではないでしょうか。


【ファゴット】
オーケストラの楽器の中でも、ひときわ目立つファゴット。オーボエと同じダブル・リードの楽器で、17世紀前半ごろに登場し、低音楽器として重要な役割を担ってきました。実はファゴットは長い管を2つ折りにした楽器で、伸ばすと約260センチにもなるそうです。ベートーヴェンが「天からの声」と表現したともいわれる、素朴で温かな音色が特徴的です。

金管楽器について

【ホルン】
ホルンは、管がぐるぐるした見た目の楽器です。幅広い音域と柔らかい音も力強い音も出せる、表現力の深い楽器です。荘厳な響きのロングトーン、圧倒的は存在感の音色を交響曲の中でも聞き分けて見てください。

【トランペット】
なんだかカッコいい印象のトランペット。ジャズ、吹奏楽、オーケストラ、どんなジャンルでも楽しめる楽器です。金管楽器の中でもメロディーラインが多く、伸びやかでそのキラキラした音色が素敵です。ムソルグスキーの「展覧会の絵」は、まさにそんな雰囲気のトランペットのソロを堪能できます。

【トローンボーン】
スライドを動かし、管の長さを変化させて音の高さを変えることが最大の特徴のこの楽器。温かみがあり、深い味のある音色です。オーケストラでも活躍することの多い楽器です。私が好きなのはブラームスの「交響曲第一番」のコラール。一筋の光のような、静かで荘厳な雰囲気です。ただ、この曲でトロンボーンが使われるのは、第4楽章の47小節間のみ。約45分の演奏時間の中で出番がやってくるのは約30分くらい経ってから。トロンボーン奏者はどんな気持ちでその場面を迎えるのか興味深いところです。

【チューバ】
見た目にもとても大きいチューバ。金管楽器の中でも、一番大きくて、低音を奏でます。まさに縁の下の力持ちで、演奏全体を下から支え、深みや迫力、艶のある音で曲全体の安定感を作ります。マーラーの曲にはチューバのソロがかなりあります。また、チャイコフスキーの悲愴も出番が多く、特に第3楽章で大切なソロを担当しています。